2007-10

ロングセラー

冬を待たずして2台のストーブを掃除し火を点けてみた。
一つは8年前に買ったモスグリーン、もう一つは去年買った
ブラック。とても暖かく、青い炎に心も和む。

かみさんいわく、ここ数年このアラジンのブルーフレームヒーター
が流行だそうである。確かに我が家でも新型のブラック色の
ストーブを2年越しで探し、昨年やっと購入することができた。

これはアメリカ製だが、ドイツ車VW-POLOと同じく、余計なも
のがいっさい付いていない。日本人の発想ならならチャイルド
ロックだの、タイマーだのお掃除機能だのと付けてしまうだろう。

70年前の発売当時とほとんどデザインが変わらず、このブラック
型はどこからでも青い炎が見えるようマイナーチェンジがなされる
ところあたりが時代を超えて愛される所以である。

今、奥様方に人気のル・クルーゼの鍋、ヘンケルスの料理バサミ、
イッタラのグラスもそれぞれが200年以上の歴史を持っている。

大量生産・大量廃棄の時代を乗り越えたモノたちはロングセラー
と呼ばれ、その優れた機能と美しいフォルムが、次の100年を
先導してゆくのであろう。







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ほどほど

いつ頃からの慣習だろうか十三夜のお月見は。
もちろんヨ-ロッパにはないし、隣国の中国にもない。

樋口一葉の「十三夜」を読むと、一見すると中途半端な
十三夜の意味が(それが日本的であることも)よく分かる。

十五夜の満月を美しいとする人々は世界中にいるが、
十三夜という少しばかり欠けたほどほどの月を見上げ、
風情を感じる民族はこの極東の島くらいにしかいない。

今日は天気もほどほどなので、ほどほどな十三夜を
見上げながら犬と散歩に出かけようか。

ちなみに24歳にして亡くなった一葉にもかかわらず、
五千円札の彼女は少し老けて見える。ただし透かしの
中の彼女は凛としてとても素敵な表情をしている。
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テロワール

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わんこを連れて南フランスのワイナリーに昼食に出かけた。
なだらかな丘陵から心地よい風がブドウ畑にそよぐ。
畑と空の間に見えるピレネーの山々はまもなく冬支度。

そう言いたくなるくらいの景観は赤城山のふもと昭和村の
奥利根ワイナリー。日本中どこに行っても電柱と看板そして
送電線は必ずといっていいほどあるのに、ここにはそれがない。

糖度は20度くらいで、ワインにすると12%くらいのアルコール
度数になるとのこと。摘み残しの小粒のカルベネ・ソーヴィニヨン
を少しばかり頂いたがとても甘くおいしかった。

レストランのランチは自家製の牛乳やチーズを使ったパスタや
肉料理で千円。しかもテラスで食べられるので愛犬も大丈夫。

この赤城高原が、旧約聖書に出てくるくらい歴史のあるヨーロ
ッパワインに負けない世界的なテロワールとなる日が楽しみ。
ただし私自身はまったくワインの味がわからない。
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洗心亭

哲学堂の帰りに建築家ブルーノ・タウトの仮住まい
だった洗心亭が開放されている話を聞き、縁起達磨
で有名な少林山達磨寺まで足をのばした。

我が家のかみさんのダイエットを兼ねて、急な石段を
上り、左にゆくと木に囲まれたほんとに小さな家が
現れる。洗心亭はまさに隠れ家である。

質素でシンプル、しかも小さい建物。桂離宮を絶賛し
世界に紹介したタウト好みの数寄屋造りの家。
Small is beautiful 古きよき日本の家屋である。 

ガウディもコルビュジェもタウトも、偉大な建築家
の晩年の暮らしは意外にも質素で慎ましやかである。

言葉も、建築も、暮らしも、引き算をして削ぎ落としている
うちに本質が見えてくる。もちろん世の女性方のダイエットも。






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高崎哲学堂

ハンス・ウェグナーの椅子展があるというので、
高崎哲学堂に行ってきた。まず椅子よりも何よりも、
この建物の素晴らしさに感動した。

この建物はアントニン・レーモンドの設計。
帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライトに
師事し、高崎音楽センターを設計。

実は我が家はレーモンドの建築コンセプトを
模倣させていただいた。軽井沢の彼の別荘「夏の家
を見てこんな家を作りたいと思ったのだ。

この高崎哲学堂もほんとうに素晴らしい。
和洋折衷の素晴らしい空間にウェグナーの椅子がマッチ
するのは、原型が明朝のチャイニーズチェアだから?

レーモンドを群馬に呼び寄せ、ナチスに追われた
ブルーノ・タウトを匿った、この建物の持ち主
井上房一郎という人は本物を知る人のようである。







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漆喰の壁

家を建てるときに、リビングは漆喰の壁にしたのだが、
少し高くても本当によかった。

一年ほど前、冷蔵庫を開けたところ
どういうわけか醤油の漬け物が一緒に飛び出し、
漆喰の壁にしだれ花火のように付いてしまった。

その時は半日ほど落胆し、何も処置できず。
ところが半年ほどしてふとその壁を見ると
元どおりに戻っているからほんと不思議。

漆喰はまるで生きているよう。
夏は湿気を吸ってくれ、冬は程よく湿気を保ってくれる。

ひびが入るのもまた自然で、絵の具では出せない
白色がなんとも心を落ち着かせてくれる。

日本の高松塚古墳でも、カンボジアのアンコール・ワットでも、
スペインのラスコーの壁画でも、ローマ時代のフレスコ画でも
洋の東西を問わず漆喰の壁は千年の時を越える。
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